地元産、甘皮ごと石臼びき 盆ざるそば いしやま(栃木)

下野新聞
2020年6月8日

 砕石工場が立ち並ぶ岩山の道を抜け、出流山満願寺の門前で50年ほど前から手打ちそばを提供している「いしやま」に到着した。のれんをくぐると、3代目店主石山英男(いしやまひでお)さん(50)ら家族5人が笑顔で出迎えてくれた。

 店の名物は「盆ざるそば」。5合と1升の2種類あり、2、3人前の5合(1900円)でも、直径30センチはありそうなざるに二八そばが豪快に盛られている。

 そばをすすると香りが鼻に抜け、清涼感のある喉越しがいい。同じ栃木市内の生産者渡辺茂(わたなべしげる)さん(71)らが育てる早刈りの「花そば」を甘皮ごと石臼でひき、甘みと香ばしさを生かすのがこだわりだ。

 そばつゆは鹿児島県枕崎産の本枯節と利尻昆布からうま味を抽出。上品でいて濃厚なつゆが、そばの香りをより引き立たせ、箸が止まらない。

 修業中の長男裕貴(ゆうき)さん(25)と次男大翔(ひろと)さん(21)の発案でこのほど、そばの実の中心のみを使った白い「さらしなそば」(730円)も提供を始めた。

 出流観光会の会長も務める英男さんは「おいしいそばで地域を盛り上げたい」と意欲をみせた。

 【メモ】栃木市出流町155。午前11時~午後4時半(売り切れ次第終了)。木曜定休、月1回金曜休。(問)0282・31・0284。

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