「土浦梅酒」造り 消費者と連携 収穫体験の南高梅使用

茨城新聞
2019年7月5日

土浦市の農業生産者と酒蔵、酒店が連携し、地元産の南高梅を使った梅酒商品「土浦梅酒Yoriai」を製造し、同市内で販売を始めた。消費者と生産者を結ぶ企画で、消費者が梅の実の収穫を体験し、酒蔵が1年後に梅酒を製造して酒店が販売する循環を築いた。販売元では「日本酒に漬けた梅酒が土浦の名物になれば」と期待を込める。

生産者は、JA水郷つくば(本部土浦市)の若手農業者グループ「ヨリアイ農場」。農場に消費者を招くイベント「旬な遠足」を開いたのを機に、梅酒造りの企画が始まった。

今回発売した梅酒は、昨年6月、ヨリアイ農場に加入する市内の生産者の梅園で、県内外の一般消費者約40人が収穫体験した南高梅の実を使った。実の一部は、筑波山麓にある稲葉酒造(つくば市沼田)の杜氏(とうじ)、稲葉伸子さんが、銘柄「男女ノ川」の特別純米原酒に1年間漬け込んで、梅酒を製造した。味は日本酒のこくが出ているのが特長という。地酒専門店リカーショップサトウ(同市沢辺)が販売する。

梅酒のラベルはデザイナーに依頼し、ヨリアイ農場のテーマである「食卓と畑をもっと身近に」の言葉を入れた。商品には梅酒ができるまでの流れを描いた購入者特典の4こま漫画も添えた。販売は218本限定で、うち30本は限定のにごり梅酒にした。

今年の収穫体験は先月開かれ、参加者は収穫した実を、近くの商業施設で梅シロップにした。その後来年発売する土浦梅酒のための梅の原料処理も行った。収穫された梅は同酒造が来年分の梅酒を製造する。

リカーショップサトウの佐藤栄介専務は「梅酒は自宅用はもちろんのこと、土浦の新名物としてお土産にもなれれば」と話した。

土浦梅酒は720ミリリットル入り、税込み1944円。問い合わせはサトウ(電)029(862)1310

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