《上州食三昧》高崎・食パンストリート ブーム 本県にも到来 こだわりの専門店続々

上毛新聞
2019年6月10日

全国的な食パンブームが到来している。うどんやパスタなど小麦文化が根付く本県にもその波がやってきた。中でも高崎市飯塚町の中央通り沿いは食パン専門店の出店が相次ぎ、「食パンストリート」の様相。行列ができるほどにぎわっている。

「一本堂高崎飯塚店」は本県初の食パン専門店として、2016年に開店した。定番の「一本堂」は1斤280円と手頃な価格で、その他に7~8種類の食パンを販売する。人気があるのは「れーずん」(1斤380円)や限定販売の「生クリーム食パン」(同)だ。

6月からは夏季限定でアイス食パンも登場。同店の富岡信行さん(59)は「無添加で体に優しいパンを目指している。多くの種類があるので食べ比べてみて」と話す。

全国展開中の高級食パン店「乃が美」。北関東初出店となる「乃が美はなれ高崎店」は17年にオープンした。大阪発祥の耳まで軟らかい「生」食パンは、ふんわりとした食感でリピーターも多い。職人が時間をかけて上品な甘さを生み出しており、1本(2斤)で864円。

今年2月に前橋にも販売店がオープンし、さらなる顧客拡大を図る。古井孝広店長(42)は「子どもがパンの耳を取り合うという話も聞く。最初は何もつけずにそのまま食べて」と勧めている。

4月20日にオープンした「まじヤバくない?」は、伊勢崎市などで高齢者福祉施設を運営するケアスイッチが手掛ける。メニューは口どけの良い生地が売りの「ヤバくない正論」(864円)と、サンマスカットレーズンを入れた「ヤバくない完熟」(1058円)の2種類。いずれも2斤1本で販売している。

施設の入居者から「おいしいパンを食べたい」という声が上がり、開店に至ったという。山本信一社長(48)は「高齢者や子どもでも食べやすい軟らかさが売り。地域の人々に喜んでもらえれば」と意気込んでいる。