コウゾ皮むき作業追われる 大子

茨城新聞
2019年1月27日

和紙の原料となるコウゾの皮むき作業が、大子町の生産農家で最盛期を迎えている。同町大沢の藤屋商店(斎藤邦彦さん経営)では早朝から、コウゾを大釜で約1時間半蒸し、軟らかくして皮をむく作業に数人がかりで追われている。

同町のコウゾは「大子那須楮(こうぞ)」と呼ばれ、きめ細かく丈夫な和紙が作れることから、高級和紙の原料として重宝されている。

作業場には湯気と独特の甘い香りが立ち込め、床一面はむかれた皮で埋め尽くされていた。この後、天日干しなどを経て完成し、岐阜県など県外の和紙職人の元へ出荷される。

作業を手伝っている利根町の日本画家、藤田飛鳥さん(42)は「和紙がなくなると困るので、会員制交流サイト(SNS)などで発信し、多くの若者らに興味を持ってほしい」と笑顔で話した。

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