《旬もの》秋山食品(河内町) 国産大豆の納豆 風味よく

茨城新聞
2018年11月18日

蒸したての大豆の香りが満ちる河内町の秋山食品。社長の秋山成夫さん(67)の祖父が戦前、近所の農家数軒と納豆作りを行ったのが同社の始まりで、1972年に有限会社化した。秋山さんは3代目。豆の状態を見ながら蒸し煮する時間を調節するなど、人の手をかけ納豆作りに励んでいる。

秋山さんと妻の澄子さん(60)が圧力釜のふたを開けると途端に、勢いよく音を立て蒸気が立ち込め、辺りが白くかすんだ。軟らかくふっくら仕上がった豆に納豆菌をかけ、パックやカップの容器に盛り込む。約40度の発酵室で約20時間発酵させ、冷蔵する。

同社が力を入れるのは、2016年から製造販売する国産大豆を使った「生板納豆」。同社の所在地から名付けた生板は「まないた」と読む。なじみのある濃い茶色の納豆に比べだいぶ色白だ。「大豆本来の味がすると喜んでもらっている」と澄子さん。

生板納豆は「有機」と「国産」の2種類。有機は北海道産有機大豆「ユキシズカ」が材料で、パックにかかる紺色の帯に有機の文字とJAS有機認定マークが記載される。大豆の確保に苦労し、蒸し時間など製造法も試行錯誤し出来上がったという。有機加工食品の製造業者として、国が認定した登録認定機関の検査を受け、有機JAS認証を取得した。添付のたれにも有機のしょうゆや砂糖などを使い、たれもからしも添加物を入れないなど、徹底的にこだわった自信作。

成夫さんは「あっさりしているのに大豆の風味がしっかり感じられる。うま味もあり、白く出来上がるので見た目もよい」と話す。

国産は黄色の帯。良質な国産大豆「スズマル」が使われている。ユキシズカもスズマルも納豆向きの品種とされている。

長年親しまれている「秋山納豆」は極小粒や小粒の種類があり、極小粒のカップ納豆は都内のホテルや学校給食などで食べられているという。

同町の産直所ふるさとかわちや龍ケ崎市のイトーヨーカドーなどのほか、高知県や都内のスーパーに出荷する。全国から注文が入る。今年オンラインショッピングができる自社サイト「納豆の秋山食品」を立ち上げた。同社の納豆を詰め合わせたお試しセットが人気という。

■メモ
秋山食品
▽住所は河内町生板2571
▽(電)0297(84)2704

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