笠間 九ちゃんの家 公開 6日まで 地元有志が修復、保存

茨城新聞
2018年5月4日

「上を向いて歩こう」などのヒット曲でおなじみの歌手、故坂本九さんが戦時中疎開し幼少期を過ごした笠間市内の民家が4~6日の3日間、一般公開される。家の保存運動に取り組む市民有志の団体「笠間九ちゃん会」が企画。同会事務局の小田部伸さん(49)は「家を見て、九ちゃんと笠間との縁を心に刻んでほしい」と来場を呼び掛ける。期間中は坂本さんの思い出の写真を展示し、来場者を静かに迎える。

坂本さんは1941年生まれ。川崎市から母の実家の笠間市に疎開し、2歳から6歳まで過ごした。歌手デビュー後も笠間との縁は深く、女優の柏木由紀子さんとは笠間稲荷神社で挙式。同市の陶芸家、荒田耕治さん(80)の工房で焼き物制作を楽しむなど市民との交流を続けた。85年の日航機墜落事故で亡くなった時、身元確認の決め手となったのは笠間稲荷神社のペンダントだった。

同市笠間の佐白山麓に残る家は木造平屋建て約130平方メートル。2006年、老朽化が進む現状を見かねた地元有志が「笠間九ちゃん会」を結成し、家の修復・保存に当たっている。家を毎年公開して、ファンと共に坂本さんをしのぶイベントを開催。当初は、ミニコンサートや坂本さんが好物だったカレーライスを販売するなど多彩な企画が催された。だが、近年は坂本さんの写真展示をメインに行っている。

小田部さんは「短い期間ではあるが、戦争の苦しい時代を過ごした笠間は、九ちゃんの原風景だったに違いない。この縁を、次の世代に語り継ぐことは地元民としての大切な役目」と強調。一方で問題もある。「建物は築70年以上が経過し老朽化が激しい。この状態での保存には限度がある」とし、「今後は何らかの決断を迫られることも視野に入れ、活動をしていきたい」と語った。 

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