門前通りに観光拠点開館 笠間 旧「井筒屋」を移動・改修

茨城新聞
2018年4月2日

笠間市は1日、東日本大震災の影響などで廃業した老舗旅館旧「井筒屋」(同市笠間)を整備改修し、新たに観光、交流の拠点「かさま歴史交流館井筒屋」として開館した。笠間稲荷神社から続く門前通りを対象にした市事業の一環。イベント広場を新設、近接する名所と回遊性も持たせるなど、同エリアのにぎわい創出の役割に期待をかける。

1894年建設とされる「井筒屋」本館(木造3階建て)は、笠間を代表する旅館だったが、東日本大震災で被災し復旧半ばで廃業した。市は門前通り周辺を象徴する歴史的な建造物として2012年度、敷地約4300平方メートルを購入。本館の保存と宿泊施設としての営業を条件に運営者を公募したが、採算性などで折り合いが付かず断念した。

このため、市では観光拠点として再整備し、昨年7月には本館の曳家(ひきや)を行い、奥側に約15メートル移動させた。

耐震補強を兼ね改修された「かさま歴史交流館井筒屋」は木造3階建て、延べ床面積約482平方メートル。曳家によって生まれた旧旅館建物跡をイベントができる交流広場とした。1階は同広場からくぐり抜けられる門状にし、残りのスペースには観光案内所を設置。2階は笠間の偉人などを紹介する歴史展示コーナー、3階は多目的空間として利用できる。

また1階をくぐり抜けた先には遊歩道を整備予定。「忠臣蔵」で知られる大石内蔵助の祖父・大石良欽の邸宅跡、笠間日動美術館など近接する名所と結び、笠間稲荷神社、門前通りなどとの回遊性を持たせる。

完工記念式典が1日、関係者ら約150人が出席して開かれ、同市の山口伸樹市長らがテープカットを行い開館を祝った。友人4人と着物姿で訪れた同市の大学生、佐藤彩香さん(18)は「街並みと一体化した外観が素晴らしい。稲荷通りの新たな観光拠点になってほしいですね」と笑顔で話した。

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