納豆菌にノロ感染予防効果 実験で確認

茨城新聞
2018年1月19日

納豆メーカー大手のタカノフーズ(小美玉市野田、高野成徳社長)は、同社が保有する納豆菌「S-903」に、ノロウイルスの発症予防や感染症状の緩和効果が期待できるとの研究成果を発表した。一般的な納豆菌と比べて免疫機能が約1・5倍高いのが特長で、インフルエンザ予防や花粉症の緩和などの効果も既に確認されている。同納豆菌を使った商品も年間出荷計画を上回る好調ぶりだ。

研究成果は、納豆や納豆菌の持つ健康価値などの情報発信を目的とした「おかめ『納豆サイエンスラボ』」の研究発表会で、同社とS-903の共同研究を進める中部大の林京子客員教授が発表した。

発表によると、ノロウイルスに感染させる前の3日間と感染後の7日間の計10日間、マウスにS-903入りの水かS-903使用の納豆を投与したところ、水だけ与えたマウスと比較して、排せつ物中のウイルス量が摂取後数日は約3分の1程度に抑えられることが確認された。

同社は、これらの免疫効果に着目し、「すごい納豆S-903」を開発、昨年2月に販売を始めた。同社によると、年間計画の出荷数は7カ月目に達成し、同11月末までに当初計画の76%増となる3700万食分を出荷した。

新たな免疫効果をセールスポイントに販売促進を図ろうと、ツイッターで感想を寄せた購入者を対象に、1ケース36食分が903人に当たるキャンペーンを4月15日まで実施している。

同社は「あっさりして食べやすい納豆。菌に着目した商品は珍しい。消費者の声を商品づくりに反映させていくためにも、より多くの人に食べてほしい」としている。

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