《上州百景 湯けむりの里》万座 「空に近い」温泉 

上毛新聞
2017年12月20日

◎尻焼  野趣あふれる名所

長笹沢川沿いに2軒の旅館がある中之条町の尻焼温泉。平家の落人が発見したと伝えられ、江戸時代末期の嘉永年間の地図には、温泉の記載があったという。川をせき止めたシンボルの大露天風呂は、訪れた人たちが季節を問わず、悠々と楽しむ。
名称は川床から湧出する源泉を生かし、温められた石に腰を下ろして、尻の病を治したことに由来する。県内温泉地の中でも、野趣あふれる名所として親しまれている。(山田浩之)

【撮影ポイント】ISO3200、160分の1秒、絞り9。山間の温泉で無邪気に楽しむ子どもの笑顔をとらえ、切り取った。

 

◎万座  「空に近い」温泉

標高1800メートル、上信越高原国立公園内にある嬬恋村の万座温泉は乳白色の湯が特徴的。万座プリンスホテルの露天風呂「こまくさの湯」の入浴客は自然の景色を眺めながら湯に漬かり、心を癒やしていた。
万座温泉観光協会によると、歴史は古く、1562年に土地の豪族が温泉に入浴した記録が残る。明治以降に湯小屋が建てられ、現在はホテルや旅館が7軒。標高の高さから、「空に近い」温泉地としてアピールしている。(宮崎浩治)

【撮影ポイント】ISO250、500分の1秒、絞り20。露天風呂から見える景色と太陽を写し込み、標高の高さがイメージできるようにした。

 

◎水上  光り輝く渓谷の温泉郷

雪がしんしんと降る利根川の渓谷とホテルがライトに照らされ、幻想的な雰囲気に包まれる。
水上温泉は、海翁文寿(かいおうぶんじゅ)和尚が約450年前、いで湯が利根川に流れ込んで白煙が立ち昇るのを見つけたのが起源と伝えられる。
若山牧水や太宰治、与謝野晶子など多くの文人が、情緒ある温泉と豊かな自然を求めて訪れた。
(関口和弘)

【撮影ポイント】ISO800、1秒、絞り13。利根川の流れと崖に積もった雪、建物のバランスを考えた。

 

◎沢渡  仕上げ湯 ゆったり

沢渡温泉「まるほん旅館」の大浴場は1947(昭和22)年に建てられた総ヒノキ造り。ぬれると緑色に変わる利根石を敷いた二つの湯船がある。ゆっくりと体を沈めると、絹のようになめらかな湯に包まれる。
中之条から草津へ向かう途中に位置する沢渡温泉は、「一浴玉の肌」と呼ばれる無色透明の硫酸塩泉。強酸性の草津温泉と比べ、あたりが柔らかで、古くから草津の湯治客が仕上げ湯として立ち寄った。
師走のにぎわいをよそに、静かな山あいの温泉はひっそりとたたずむ。
(石田貞之)

【撮影ポイント】ISO3200、80分の1秒、絞り4・5。立ち上る湯気を写すためノーストロボで撮影。窓から差し込む逆光線が湯気で拡散され、柔らかなライティングになった。

 

◎老神  湧出伝説の「ヘビ」磨く

最大108・22メートルある老神温泉(沼田市)の大蛇みこし。6体が利根観光会館敷地内に保管され、年末になると、同温泉観光協会のメンバーの手で磨かれる。
老神温泉はヘビが湧出に関わったとの伝説が残る。毎年5月には、守り神のヘビに感謝する「大蛇まつり」が開かれる。出番を待つ大蛇を丁寧に磨くメンバー。協会の金子充会長は「傷を癒やしたとの温泉の伝説にある通り、肌に良いとされる」と話した。(大橋周平)

【撮影ポイント】ISO1000、25分の1秒、絞り22。シャッタースピードを抑え、作業する人の手元に動きが出るようにした。

 

(おわり)

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