淡いピンク、新品種育成 グラジオラス「常陸はつこい」

茨城新聞
2017年10月31日

茨城県農業総合センターは、グラジオラスの新品種「常陸はつこい」の育成に成功した。既存品種の中で最も早く咲く極わせで、関東圏の他産地に先駆けて出荷できる。来年以降の出荷開始が見込まれ、県は全国有数の出荷量を誇る本県産地を支える新たなオリジナル品種として普及させたい考えだ。

常陸はつこいは、同センター生物工学研究所(生工研)が2002年に開発に着手。今年7月末に品種登録の出願が公表された。色はサーモンピンクで、花の中心に黄色いぼかしが入る。茎は細めだが花は大輪で、同時に開花する花数が多く、ボリューム感があるのが特徴。

「はつこい」の名称は、淡いピンクが初恋の初々しさを連想させるとともに、最初に出荷できる品種であることから付けた。花弁の先が淡いピンクのわせ品種「花かすみ」と、オレンジ系の色合いの「マッチポイント」を交配した系統から選抜した。

開花期は6月下旬で、促成栽培により1月に植え付け、5月中に出荷することも可能。県内のグラジオラスの出荷期間は5~10月ごろで、出始めの5月はピンク色のグラジオラスが不足する。そのため、6月に出荷が始まるピンク色の県オリジナル品種「常陸はなよめ」を補完する品種として期待が高まる。

生工研果樹・花き育種研究室の喜多晃一技師(38)は「“はつこい”から始まり、“はなよめ”に(出荷を)つなげたい」と狙いを語る。

本年度中にも県グラジオラス球根協会が球根の販売を始め、来年以降、切り花の出荷が始まる見通し。

県産地振興課によると、県内では土浦市やかすみがうら市、石岡市などでグラジオラスを生産。16年の東京都中央卸売市場の切り花取扱額は、本県が1億900万円と最も多く、「鹿児島県や長野県とともに、全国でもトップクラスの産地」(同課)とされる。

現在、生産は輸入球根を使うことが多い。そのため、同センターは現場の要望に対応した独自の品種で差別化を図ろうと、育種にも力を入れている。

同研究室の市毛秀則室長(45)は「主要産地の茨城の顔となるような品種を今後も作っていきたい」と意気込んだ。 (磯前有花)

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