「第9」荘厳 小澤さん、魂の指揮 水戸室内管弦楽団100回定演 

茨城新聞
2017年10月14日

指揮者の小澤征爾さん(82)が総監督を務める水戸室内管弦楽団(MCO)は13日夜、水戸市五軒町1丁目の水戸芸術館で、第100回定期演奏会(定演)を開いた。結成から27年。演目はベートーベンの「交響曲第9番」(第9)。小澤さんと、ホルン奏者としても出演したラデク・バボラークさん(41)の2人が指揮を務めた。人類愛をテーマにした合唱が登場する最終楽章で、小澤さんは鬼気迫る魂の指揮を披露。楽団員や合唱団員らと心を通わせながら壮大な音楽を紡ぎ、平和と友好のメッセージとして水戸から世界に発信した。

プログラム前半の第1・2楽章は、激しい音の波が次々に押し寄せるいわば天地創造のイメージ。指揮のバボラークさんは、大局を見据えた自然体のタクトでシンフォニーの強固な土台を築いた。

後半に登場した小澤さんは、第3楽章を楽団員と呼吸を合わせるようにゆったりと進み、会場内を癒やしの空気で包んだ。「歓喜の歌」と呼ばれる合唱が盛り込まれた最終楽章では、まなざし鋭い気迫のこもった指揮を披露。ソリスト4人と合唱団の生命感あふれる歌声を、室内楽の繊細な調べに見事に融合させ、崇高な頂きへと登り詰めた。

演奏終了後、会場は総立ちとなり、約15分にわたって万雷の拍手が鳴り続けた。小澤さんは、バボラークさんと何度も肩を組んで指揮の大役をねぎらい、また楽団員やソリストたちとも握手を交わし、喜びに満ちあふれた時間を共有した。

東海村の40代女性は「少人数でありながら管弦楽の音がしっかり出ていた。ソリストの歌声も素晴らしかった。思い出に残る一夜になった」と笑顔で話した。

演奏会は15日も開催する予定。 

【写真】演奏終了後、喜びを分かち合う小澤征爾さん(手前左)とラデク・バボラークさん(同右)=水戸市五軒町の水戸芸術館、大窪道治さん撮影(同館提供)

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