春の使者 県内桜前線駆け抜ける

下野新聞
2017年4月15日

県内を桜前線が駆け抜けている。“春の使者”は春風に乗って県南、県央、県北地域の観光地や里山、山間、河川敷などにも花の便りを届けた。

レンズを通して見えた小山市の思川沿いに咲くオモイガワザクラ、鹿沼市やさくら市の沿道に立ち並ぶ桜並木は壮観だ。那須塩原市の烏ケ森公園のソメイヨシノは鏡のような池に映える。大田原市の龍城公園では約280本のソメイヨシノが満開に。桜の開花時期は短く、宇都宮市の桜は一足早く花びらを散らし始めた。

桜の季節は入学や卒業、入社、転勤など別れと出会いが交錯する。同じ桜も咲く場所や時間、見る人々の気持ちで違う表情を見せてくれる。万感の思いで薄紅色の花を見上げ、散りゆく桜を見送る人々の顔。穏やかにも、どこか儚(はかな)くも見える。

■烏ケ森公園(那須塩原)

空が映り込んだ水鏡を、満開の桜が囲う=写真。那須野ケ原開拓地に那須疏水(そすい)が開通したのは1885年。その起工式を行った同公園はいま、豊かな水と緑に憩う人が絶えない。開こん記念祭が行われたこの日、地域住民の笑顔もほころんだ。(14日)

■ゆうゆうパーク(さくら)

 ソメイヨシノがピークを迎えた。ピンク色の帯が園内をにぎやかに彩る=写真。700本超の桜がある。見頃は今週末まで。(13日)

■早乙女の桜並木(さくら)

 県道佐久山喜連川線の「早乙女の桜並木」。約90年にわたって親しまれている老木は、菜の花と競演。残雪の日光連山を背景にして、のどかなたたずまいを見せている=写真。道路は今後、新たに歩道を設けるなど、再整備が進むという。(13日)

■龍城公園(大田原)

 280本あまりのソメイヨシノが満開を迎えた=写真。古い木で樹齢約70年という。淡い色で鈴なりに咲く姿は、はかなさを漂わせる。大田原市観光協会によると、見頃は今週末まで。(14日)

■さつき大通り(鹿沼)

 鹿沼市西茂呂地区のさつき大通りの市道約2・5キロにわたって樹齢25年以上のソメイヨシノが咲き誇る。昼間の桜も壮観だが、15日まで一部ライトアップされる夜桜も幻想的だ=写真。地元では「美しすぎる桜並木」と呼ばれている。
 (13日夜)

■県なかがわ水遊園(大田原)

 水遊園東側の那珂川沿いにある桜並木が見頃だ=写真。せせらぎを聞きながらの花見は心穏やかになれそうだ。桜は今週末まで楽しめる。(13日・小型無人機から)