潮来「北斎遊学館」10周年 石蔵改装 集う笑顔

茨城新聞
2017年2月2日

大正時代の石蔵を改装してつくった潮来市牛堀の交流拠点「北斎遊学館」が本年度、開館10周年を迎えた。所有者の吉川利一館長(65)らが2006年に開館し「まちの交流拠点として地域おこしに役立てたい」とさまざまなアイデアを注いだ。目の前を常陸利根川が流れる好立地の同館では、地元音楽家らによるミニ音楽会や展覧会、ヨガ教室、地元の無農薬野菜など販売する週末の朝市が定期的に行われ、地元住民や観光客の笑顔が集う場となっている。

江戸時代から水運の要衝として栄えた同市は、東北諸藩の物資輸送拠点となった河岸跡が多くあり、同所周辺も牛堀河岸としてにぎわった。農協の米蔵として石蔵が建てられたのは大正時代末期。「最大で4千俵も入った。地元で収穫された米を東京に船で運ぶために使われた」と吉川館長。米蔵の役目を終え、土地が農協から所有者の吉川館長に返却される際、解体されそうになった石蔵を譲り受けた。

石蔵のある旧牛堀町は旧潮来町と合併した直後で、商店街は寂れ、近隣にある市立図書館もまだなかった。吉川館長は「古い物が認められる現代。文化財にもなるような石蔵を何かに生かそうと思った」と振り返る。大谷石造りの趣ある石蔵は音が良く響き、演奏会などに使えると考えた。貸しホールとしてスタートすると、市内外の音楽家から「ここで演奏会を開きたい」と申し込みが相次いだ。

約5年前からは貸しホールの隣の部屋と屋外で、地場産野菜を販売する朝市も開くようになった。毎週土、日曜日の午前9時から午後2時。吉川館長と地元有志たちが、地元で採れた色とりどりの野菜を売っている。石蔵の前では、手作りの窯でピザや焼き芋を炭火焼きして販売。常陸利根川と霞ケ浦を眺めながら、屋外で飲食を楽しめる。天気の良い日は富士山や筑波山も見える絶景ポイントで、サイクリング愛好者らの休憩所としても親しまれている。

水郷潮来の美しい景色は、葛飾北斎も「富嶽三十六景」の「常州牛堀」で描き、竹内栖鳳(せいほう)や川瀬巴水(はすい)、地元の小堀進らも愛した。吉川館長は「この素晴らしい風景と歴史をもっとPRして知ってもらいたい」と話す。

貸しホールや朝市など問い合わせは吉川館長(電)0299(64)5517。 

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