龍ケ崎市、文化財に4号機関車

茨城新聞
2017年1月21日

地域の貴重な財産を顕彰しようと、龍ケ崎市教育委員会は、江戸期の豊田村(現同市)の名主・山崎家に代々伝わってきた古文書群「山崎家文書」と市内を運行していた蒸気機関車(SL)「4号機関車」の2件を市指定文化財に指定し、同文化財に準じる「市民遺産」に2件を認定した。

市生涯学習課によると、山崎家文書は計4271点の古文書群(市歴史民俗資料館保管)。特に1780(安永9)~1817(文化14)年に記された「名主日記」は、豊田村とその近隣の人々の生活の移り変わりが分かる貴重な資料で、小貝川の洪水の様子なども知ることができる。

4号機関車は竜ケ崎線で運行していたC型タンク蒸気機関車。1925年に製造され、65年12月に現役を退くまで約40年間運行し、走行距離は24万8115キロに及ぶ。同資料館で屋外展示されている。

市民遺産には、屋代城址(じょうし)5号土塁▽三条実美揮毫(きごう)「長興学校」扁額(へんがく)及び飯塚古登頌徳(いいつかことしょうとく)碑-の2件が認定された。土塁は城ノ内中の敷地内にあり、15~16世紀に信濃出身の豪族・屋代氏一族が構えた城郭の一部という。

扁額は、1882年に長興小(現北文間小)の校舎完成を祝い、当時の太政大臣・三条実美から送られた書を基に作成されたとされる。頌徳碑は、明治期に私財を投じるなどして同校校舎建設に尽力した古登の功績を後世に伝えるため、1916年に住民有志により建立され、北文間小正門脇に残る。

2月26日に同市馴馬町の同資料館で、山崎家文書に関して白川部達夫東洋大教授の講演が行われるほか、4月以降には屋代城址5号土塁の見学会も計画されている。 (鹿嶋栄寿)

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