つくば霞ケ浦りんりんロード 利用促進へ整備本格化 路面に案内、注意喚起

茨城新聞
2016年11月16日

筑波山周辺や霞ケ浦湖岸の自転車道を一体化したサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」の利用促進に向け、県は、案内標識や拠点施設の整備を本格化させる。新たに策定した走行環境整備のためのコース統一のガイドラインに基づき、コース利用者の安全性や利便性の向上が狙い。沿線市町村とも連携し、危険箇所の改良も含めたコース整備を順次進めていく。既存の二つの自転車道をつなぐ接続ルートの整備が土浦市内でおおむね完了したのを受け、25日に同市内で開通記念式典が開かれる。

ガイドラインは、本年度から5年間の「水郷筑波サイクリング環境整備総合計画」を踏まえ、県が今月、コースの整備を統一するための考え方や基準を独自にまとめて公表した。

案内標識のうち路面表示は、進行方向を示す矢羽根型のコース案内を10メートルごとに設け、交差点やカーブ付近には手前10メートル、5メートル、1メートルに、それぞれ案内を設置する。注意喚起は、日本語と英語の併記が基本で、特に注意が必要な箇所は中国語、タイ語、韓国語を加えた5カ国語表記とした。

国のガイドラインに準拠しながら、コース案内は青と黄色、注意喚起は赤を基調とした配色やさまざまな案内表示など、コース独自の仕様も多く設定した。

拠点施設は、駐車場のある沿線施設や鉄道駅、バスターミナルなど既存施設の機能充実に加え、トイレを備えた休憩所を一定間隔で設置する。当面は、休憩する場所が少ない霞ケ浦湖岸を中心に、日よけやベンチを置いたポケットパークの設置を順次進めていく。

このほか、旧りんりんロードに多くみられる車道との交差箇所について、一部で自転車優先とするなど安全面の改良を図っていく。

県は地方創生交付金などを活用し、県管理区間について本年度中の案内標識設置を目指す。併せてガイドラインの周知を図り、沿線市町村にも各管理区間の早期整備を促していく。

土浦市内の接続ルートも、旧りんりんロードから新川沿いを進み、県の流域下水道事務所の外周を経由して霞ケ浦湖岸に至る約2キロ区間の整備がほぼ完了し、コースが本格開通する。

県は「初めてコースを訪れた人でも迷うことなく、誰もが安全・安心にサイクリングが楽しめるよう、日本一の環境構築を目指していく」と説明している。

★つくば霞ケ浦りんりんロード

旧筑波鉄道跡を舗装した自転車専用道「つくばりんりんロード」(桜川市-土浦市)と、霞ケ浦湖岸の「霞ケ浦自転車道」(土浦市-潮来市)を接続した県管理の計約81キロの自転車道がコースの中心。さらに霞ケ浦湖岸の残りの市町村道なども合わせてコース全長は計約180キロと国内有数の規模。名称は公募により決めた。

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