つくば霞ケ浦りんりんロード 茨城県、180キロのコース整備 サイクリング日本一へ

茨城新聞
2016年7月17日

筑波山や霞ケ浦などの自然特性を生かした日本一のサイクリング環境の構築に向け、県は本年度から5年間の基本方針などを定めた「水郷筑波サイクリング環境整備総合計画」を策定し、ハード、ソフト両面の取り組みを本格化した。筑波山周辺の自転車道と霞ケ浦湖岸道路を接続した総延長約180キロのサイクリングコースを一体整備するのが柱で、名称は「つくば霞ケ浦りんりんロード」と決定。コースの知名度を上げ、首都圏などから自転車愛好家を呼び込むとともに、サイクリングを核とした地域振興も図っていく。

同計画は、県が有識者委員会の意見などを踏まえて初めて策定。地方創生の目玉事業として、サイクリングを通じた交流人口拡大を図るのが狙い。コース沿線に北浦湖岸を加えた14市町村を対象地域とした。

コースの中心は、旧筑波鉄道跡を舗装した自転車専用道「つくばりんりんロード」(桜川市-土浦市)と、霞ケ浦湖岸の「霞ケ浦自転車道」(土浦市-潮来市)を接続した県管理の計約81キロの自転車道。さらに霞ケ浦湖岸の残りの市町村道などを合わせると、コース全長は計約180キロと国内有数の規模となる。

全てのコースは既に走行可能だが、土浦市内の接続ルートの整備が9月末ごろ終わると、元の二つの自転車道が往来しやすくなる。コース統一の案内標識設置や休憩施設の機能充実、自転車サポートステーションの登録拡充などの整備も段階的に進める計画。

コース名称は昨年の公募で挙がった10候補の中から、6月に一般投票して決めた。今後は専用サイトなどで、名称を含めたコースのPRに力を入れていく。

同計画には環境整備に加え、利用者向けサービス充実や地域振興のための施策も盛り込まれた。電車などで手ぶらで訪れた人が楽しめるよう、5月から広域のレンタサイクルシステム(貸自転車)を本格実施。果物狩りや地元食材など「食」を巡るサイクリングツアーや、茨城空港(小美玉市)を利用した外国人ツアーなども企画していく。

県によると、同コースの昨年度の年間利用者は約4万人。首都圏へのアクセスの良さなどもアピールし、今後5年間で6万5千人に増やすのを目標とする。

県は「これだけの距離がありながら、平たんで初心者や家族連れが楽しめるコースはほかにない。訪れた人の満足度も含めて、日本一の環境を目指す」と意気込んでいる。 

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