五浦宣言「アジアは一つ」 北茨城で天心サミット

茨城新聞
2016年10月31日

近代日本美術の発展に貢献し、北茨城市五浦地区を拠点に活躍した岡倉天心の功績を後世に伝えようと、交流事業「第21回天心サミットin五浦」が30日、同市で開かれ、全国から天心ゆかりの地の顕彰会関係者が集まった。天心が唱えた「アジアは一つ」の原点に返り、芸術と平和の心を醸成することなどを盛り込んだ「五浦宣言」を採択した。茨城新聞文化福祉事業団特別協賛。

同市大津町のホテルで行われた会議には、地元の五浦日本美術院岡倉天心偉績顕彰会をはじめ、岡倉家出身地の福井市、天心生誕の地の横浜市、終焉(しゅうえん)の地の新潟県妙高市-の四つの顕彰会から約80人が出席した。

来賓の景山俊男茨城大社会連携センター長は「五浦時代の10年こそ、天心がグローバルに活躍した時代。地域における芸術文化の果たす役割は大きく、引き続き天心を研究していきたい」とあいさつ。各顕彰会が活動報告や意見交換を行った。

五浦宣言は、地元顕彰会の会長を務める豊田稔市長、横浜の高井禄郎副会長、福井の酒井哲夫会長、妙高の板倉三義会長の4人が宣言書に署名した。

サミットは29日に開幕した。関連行事として、県天心記念五浦美術館で茨城大の増子和男教授が「天心の漢詩」、清水恵美子准教授が「天心オペラ白狐」と題して講演し、天心邸では茶会が催された。来年は横浜市で開催する。 

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