TX新たに30車両 20年運用、輸送強化へ100億円

茨城新聞
2016年10月20日

つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道(東京、柚木浩一社長)は19日、2020年3月までに、車両30両を導入すると発表した。現在の4人掛けボックスシートは、大半をロングシートに改造する。朝の通勤時間帯に乗車率150%を超える一部区間の混雑緩和が狙いで、投資額は100億円規模。輸送力は約15%向上するとみている。

TXは通常、1編成6両で運行している。新たな30両は5編成分で、20年3月の運用を目指す。このうち3編成を平日朝の通勤時間帯の上り線に導入し、午前7時半~同8時半の運行を22編成から25編成に増やす。下り線にも同時間帯に1編成導入するほか、予備を1編成追加。現行の37編成222両から42編成252両とする。

同社によると、平日朝に最も混雑する青井-北千住駅間の乗車率は、昨年度は平均156%で、利用増加により、今後も最大で年間4%の上昇を見込む。現在の輸送力では、20年に同区間の乗車率は170%台に達することから、増車が不可欠と判断した。導入により、乗車率150%台前半に抑えたい考え。

一方、全区間を走行できる交直流型「2000系」で、ボックスシートがある46両のうち、32両分をロングシートに改造し、定員を増やす。17年夏にも運用を始める予定。

増車に伴い、TX総合基地内の線路を3本増やすほか、変電設備を強化する。同社は「大幅な輸送力増強で混雑を緩和したい」としている。 

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