支援ロボで鉄道乗降 広域移動、実証実験始まる つくば

茨城新聞
2016年3月30日

 搭乗型移動支援ロボットで鉄道に乗り、安全性などについて検証する実験が29日、つくば市で始まった。同市とセグウェイジャパン(横浜市)が、つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京都)の協力を得て取り組む。同ロボットは近距離移動用だが、鉄道と組み合わせることで広域移動が可能になる。両者は実験を繰り返し、新たな交通体系のモデルを探る。
 実験は、立ち乗り型のセグウェイ、車いす型のジェニーの2台を使い、TX研究学園駅-つくば駅の2駅間で実施。ジェニーには乗ったまま車いす優先席付近に乗車し、電車の揺れに対し、安定的に止まっていられるかなどを確認した。
 ジェニーは、通常の車いすで乗降の際に使用する渡り板を使わずに、ホームと車両の間をスムーズに行き来していた。セグウェイは手回り品として扱われるため車内では乗ることができない規定。
 市によると、移動ロボの鉄道利用実験は全国初の試み。今後は実験区間をつくば駅-みどりの駅の4駅間に伸ばし、ロボットの種類も順次追加する予定。
 実験で安全性に問題がなければ市民モニターを募り、将来的には他のTX沿線自治体に協力を呼び掛けて、観光ツアーへの活用や通勤、通学での利用実験を行いたい考え。
 市の担当者は「移動ロボを上手に使えば、自宅から遠い目的地まで乗り換えなしで移動できる。有効性を実験で確認したい」と話した。

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