道の駅拠点に特産開発 常陸大宮、第1弾「えごま油」人気

茨城新聞
2016年10月19日

常陸大宮市岩崎の「道の駅常陸大宮」の開設に合わせ、生産者らが開発したエゴマ加工品「えごま油」が人気だ。地元の5地区が参加した大賀地域活性化協議会と行政、大学などが協力。中山間地域で加速する少子高齢化や人口流出に歯止めをかけようと、道の駅を核に新たな特産品づくりに挑んでいる。

道の駅の特産品を開発し、過疎化が進む地域の活性化につなげようと、同協議会が発足した。同市の上大賀▽岩崎▽鷹巣▽小祝▽久慈岡-の5地区の生産者で組織。国や県、市の支援を受けるとともに、茨城大や東京農業大など幅広く連携する。

特産品の第1弾となったのが岩崎地区のエゴマ。同地区の小泉義文さんらが4年前、先進的に栽培を始めた。近年、健康に良いとして全国的なブームとなっており、高齢者でも作りやすい一方、県内での栽培は珍しいことから、産地化を決めた。

昨年6月、道の駅では、施設内に加工室や専用の機材を設置。東京農大の指導者らは先進地の視察で得た知識などを生かし、加工に協力した。

道の駅は同年3月にオープン。地域のオリジナル品として「えごま油」(110グラム入り)を発売すると、たちまち人気を呼び、1600本が3カ月で売り切れた。

同組合の生産者は40人となり、栽培面積は1年で3倍増の3ヘクタールとなった。今季収穫分のえごま油は11月から販売予定で、エゴマのジェラートや粉末も販売する。組合長として産地をけん引する小泉さんは「生産販売を拡充したい」と意気込む。

久慈岡地区では、荒廃した竹林を住民が整備し、タケノコ生産に取り組む。メンマなどの加工品を目指す。今夏には茨城大の学生と連携し、竹で灯籠を作り、道の駅をライトアップするなど、地域のにぎわい創出に取り組んでいる。

道の駅の遠藤修平駅長は「特産品の開発など、地域の人たちの下支えが道の駅の魅力になっている。共生の関係を強固にしたい」と話す。

同市農林課の担当者は「地域が自立して活動できる環境を築き、波及させ、地域全体の活性化につなげたい」と意欲を見せる。

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