昔の知恵生かし涼しく 館林 暑さ対策に打ち水

上毛新聞
2016年8月1日

ㅤ毎年、真夏になると「最高気温 日本一」を度々記録し、猛暑が全国ニュースになる館林市。昨年は最高気温が全国1位になった日が20日あり、猛暑日を16日連続で観測した。地元住民は昔から知恵を出し合い、暑さに対抗している。梅雨明け翌日の29日、市が初めて企画した「打ち水プロジェクト」を取材し、猛暑を乗り切る工夫を学んだ。
ㅤ猛暑日を記録した同日午後4時過ぎ、市西公民館(富士原町)に親子連れ約30人が集まった。参加者は雨水が入った洗面器や鍋を両手で持ち、「せーの」の掛け声で水を一斉に地面にまいた。しばらくすると周囲の空気が涼しく感じられた。
ㅤ館林はこの日も朝から厳しい日差しが照りつけ、打ち水前の路面温度は52度。水をまき終わると41度まで下がり、市職員から「大成功です」の声が上がった。
ㅤイベントは、昔ながらの生活の知恵で涼しくなることを実感してもらうのが目的。夏休みで祖父母の家に遊びに来ていた、ドイツの小学校に通う長沢太郎君(8)は「エアコン無しでも涼しくなった。ドイツの家でもやってみたい」と笑顔を見せた。
ㅤ簡単にできる打ち水だが、市は雨水や風呂の残り湯など二次利用水の活用をルールとして定めている。朝夕の涼しい時間帯に日陰や風通しのいい場所で行うのが効果的だ。
ㅤ市は猛暑を「災害」と位置付け、対策に知恵を絞っている。何より力を入れているのは熱中症対策だ。昨夏の救急搬送者数は例年を大きく上回る65人に上り、今年も29日夕方までに20人が搬送された。市地球環境課によると、梅雨明け頃から急増する傾向にあるという。
ㅤ熱中症を予防をするために市は一人暮らしの高齢者世帯を訪問したり、館林駅前や公共施設にミスト噴射装置を設置したりしている。今年は薬品メーカーの大塚製薬(東京都)と協定を結び、市民向けの講座などに同社から講師を招いて一層の対策普及を図る。
ㅤ猛暑と長年戦い続ける行政の対策は年々進化している。しかし暑さの本番はこれから。今年はラニーニャ現象の影響で平年より気温が高いとの予想もある。昔ながらの知恵を活用し、個人レベルで涼しさを演出するのもいいかもしれない。
(館林支局 井部友太)

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