25年ぶり 秘仏公開 20日から潮来 二本松寺

茨城新聞
2016年6月19日

潮来市堀之内の二本松寺(高森良仁住職)で20日から、県指定文化財の本尊「薬師如来座像」が25年ぶりに開帳される。本尊は、開帳が住職1代に1回とされている秘仏。前回から住職は代わっていないため、今回は特別開帳との位置付けになる。本尊とともに「日光・月光両侍菩薩(ぼさつ)」も入った金色に輝く厨子(ずし)の扉が開かれる。

本尊は鎌倉時代後期の作で、木造ヒノキ材寄せ木造り。座高66・1センチ、蓮台総高135センチ。現在の潮来、行方両市内の25末寺を整理した際、水戸藩2代藩主・徳川光圀が本寺の二本松寺に寄進したとされている。左手に薬つぼを持ち、心身の病を治癒する仏様として古来より多くの人々の信仰を集めている。

前回の開帳は1991年の本堂落慶の際。今回の開帳について高森良英副住職は「本尊を一度も見られないかもしれない人たちもたくさんいる。檀家(だんか)の方や地域の方に、ぜひ見ていただきたいと決断した。本尊とお寺に身近に触れて感じてほしい」と話す。

高森副住職は前回開帳時、開扉の役を担った。「本尊は畏れ多く、まじまじと見られなかったが、その迫力に感動した」と振り返る。

開帳は30日まで。本尊の写真撮影は禁止。

同寺は「あじさい寺」と呼ばれ、4万平方メートルの境内には現在、100種1万株のアジサイが咲き誇り、見頃を迎えている。「アジサイの杜」は入山参拝協力金300円。

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