美容オイル商品化 茨城県内企業が協力、販売 県産ツバキの種子活用

茨城新聞
2016年6月10日

茨城県開発公社と県内企業・団体の力を結集したオリジナル商品として、県産ツバキの種子を活用した美容オイル「おしゃれ椿」が完成した。各社が原料採取、精製、製造、デザインを分担して商品化にこぎ着けた。同公社は「県内立地企業が協力して商品開発するのは珍しい」としている。県内5カ所の宿泊・観光施設や東京・銀座の茨城マルシェで11日から販売される。

おしゃれ椿は植物由来成分100%の原料が特長。本県産ツバキのほか、ヒマワリ、ホホバなどの種子から精製したオイルをブレンドした。県花のバラから抽出した香りも付いており、顔や手足、髪にさらりとした感触と潤いを与える商品に仕上がった。商品名は、北茨城市出身の童謡詩人・野口雨情の作品「おしゃれ椿」から付けられた。50ミリリットル入りで税込み5千円。

北茨城市の南中郷工業団地に立地する横関油脂工業(本社同市)が「ツバキを使って何かできないか」と同公社に相談。同公社によると、ツバキの種子は商品として活用されることが少なかった。このため、種子の活用法について検討や市場調査を重ねた結果、付加価値が高く、高級感のある美容オイルに決め、共同で昨年から本格的開発に取り組んできた。

商品完成までの各工程は、県内に立地する他業種の企業や団体が分担した。県造園建設業協会は県内各地の神社境内に植栽されたり、県内の一部地域で自生したりしているツバキから種子約500キロを採取。同社は種子の搾油と精製を担当し、化粧品製造の花島シーマン鹿島工場(神栖市)が美容オイルに加工した。容器やパッケージのデザインは文化メディアワークス(水戸市)が担った。今年は約2千個を製造した。

販売されるのは国民宿舎「鵜の岬」(日立市)と「いこいの村涸沼」(鉾田市)、茨城マルシェ(東京都)、北茨城市内の「中郷温泉 通りゃんせ」「公共の宿マウントあかね」と同市観光協会の計6カ所。

同公社は「売れ行きを見ながら、今後も県産品として製造を続けたい」と意気込んでいる。