シャトーカミヤ復旧 被災の重文 7月から公開 牛久
東日本大震災で被災した日本初の本格的ワイン醸造場「シャトーカミヤ」(牛久市)の復旧工事が完了し27日、報道陣に公開された。震災では、国指定重要文化財でレンガ造りの旧醸造場施設3棟が半壊、一部損壊した。外観やワイン貯蔵庫の環境を損ねないよう配慮し、4年をかけて修理・耐震を施した。所有するオエノンホールディングスの西永裕司社長は「市を代表するランドマークとして地域と交流しながら盛り上げていければ」と話した。
工事は国や県、市の補助を受け2011年12月着工。総工費は15億円。今年3月に終了した。
被災したのは、いずれも1903年完成の旧事務室(本館)、旧醗酵室(神谷傳兵衛記念館)、旧貯蔵庫(レストラン)。震災後はレンガにずれやひび割れが多数見つかり、崩壊する危険性もあった。
工事では、壁の外観を変えないよう従来と同じレンガ1万5千本を特注して補修。旧事務室のシンボル・時計塔は地震で水平方向にずれたため、鉄筋を埋め込み補強した。旧醗酵室は、地下のワイン貯蔵庫は温度・湿度が最適に保たれているため、環境を変えないよう建物を支える基礎を外側に設置した。
レストランは既に昨年1月再開。旧醗酵室は7月から一般公開される予定。旧事務室はイベント時に一時的に公開される。シャトー内での醸造も今後再開するという。
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