伝統の舞 継承へ新風 古河・磐戸神楽 女性2人が初参加

茨城新聞
2016年4月4日

約350年前から続く県指定無形民俗文化財の磐戸(いわと)神楽が3日、古河市大和田の鷲神社(鮎川淙一宮司)で奉納された。今年、しの笛を吹く平山広美さん(51)と太鼓「代拍子」をたたく中村理恵さん(44)の女性2人が長い伝統の中で女性として初めて参加。日本神話に基づく伝統の舞が、桜の咲く境内の神楽殿で約4時間にわたり披露され、観衆から拍手が湧いた。

神楽は五穀豊穣(ほうじょう)と家内安全を祈願し、江戸時代の1760(宝暦10)年から続く。舞は、日本神話から題材が取られ、伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)の舞う「那岐那美の舞」、天孫降臨を先導する猿田彦の「猿田の舞」など12個の物語で構成されている。

地元住民でつくる神楽保存会(関根宣市会長)が継承してきたが近年、後継者の確保が難しくなっていた。

今回から毎年4月4日開催の伝統を改め、4月の第1日曜日に実施。さらに保存会に女性2人を初めて迎えた。

平山さんと中村さんは大和田おはやし保存会の一員で、神楽の継承者として白羽の矢が立った。

平山さんは「神楽は譜面なしに継承されてきたもの。正確に伝えていかなければいけない」と気を引き締めた。

同市下片田に住む江沢美代子さん(62)は次女と孫3人の家族5人で初めて見た。江沢さんは「幻想的。お面も変わっている。長く続いてほしい」と興味深そうに見入っていた。

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