水戸・偕楽園180年 季節彩る「ふすま絵」 月替わりの記念絵はがき配布

茨城新聞
2022年9月9日

偕楽園(水戸市)の開園180周年を記念して、茨城県は好文亭奥御殿にある「ふすま絵」の絵はがき10種類を作成し、来場者に月替わりで無料配布を始めた。絵はがきは梅や萩など、季節ごとに園内を彩る植物を描いたふすま絵をデザインしており、県は「通年で偕楽園に来てもらうためのツールにしたい」と来園を促している。

好文亭の奥御殿には、偕楽園に縁のある梅▽つつじ▽松▽萩▽竹▽桃▽菊▽桜▽紅葉-の9種の植物の名が付いた各間が設けられている。絵はがきは各間(梅の間は紅梅と白梅の2種類)のふすま絵をあしらい、全10種を作成した。

好文亭の来館者を対象に、観梅シーズンの2、3月を除き、毎月1種類ずつ来年8月まで限定配布していく。園内イベントなどでも特別配布する。今月は萩の間の絵はがきを配布している。

好文亭は1945年の水戸空襲で全焼。終戦後の再建に合わせ、東京芸大日本画教官だった須田珙中(きょうちゅう)と田中青坪(せいひょう)の画家2人が各間のふすま絵を描いている。

県都市整備課は「これまで偕楽園に特化したグッズはほとんどなかった。毎月訪れていただき、ぜひ全種類を集めて」と呼びかけている。

好文亭の萩の間では、69年の落雷による火災で全焼したふすま上部の「天袋」の絵が再現され、「水戸の萩まつり」開催に合わせて、25日まで特別公開されている。