《食いこ》小匙惣菜店(茨城・つくば市) 手軽さとおいしさ両立

茨城新聞
2022年6月17日

コールスローを豚ロースで包んで揚げた「キャベ豚」や、刻んだニンジンとマンゴーをマスタードなどとあえた「マンゴーキャロットラペ」といった、オリジナリティーあふれる惣菜(そうざい)が並ぶ小匙惣菜店(茨城県つくば市)。エプロン姿で出迎えてくれた代表の河井美歩さん(43)は、「ここでしか食べられないものを作るよう心がけている」と話す。

人気のキャベ豚やマンゴーキャロットラペなど

 

河井さんは徳島県出身。大手料理教室に就職し、講師やメニューの企画・開発などを担当したのち、独立した。以来、10年以上にわたり、夫の勤務先のあるつくば市内や都内で料理教室を主宰しながら、レシピ本の執筆にも携わってきた。

店を開いたのは今年3月。料理家として活動する中で、「手がけた料理を味わってもらう場があってもよいのでは」と考えたことがきっかけだった。子育てと仕事の両立で多忙だった自身の経験を踏まえ、「毎日の献立に役立ち、ゆとりある生活につながる手助けをしたい」と、食卓に身近な惣菜店にしたという。

販売するのは、揚げ物やサラダ、ご飯類、焼き菓子など主食からスイーツまで幅広い。いずれもこれまでに考案したレシピを基に、河井さんとスタッフ数人で朝から手作りし、出来たてを提供する。惣菜の中でも、メンチカツやアジフライなどの揚げ物は手間がかかるため需要が高い。

幅広い年齢層に安心して食べてもらおうと、健康面にも留意する。「惣菜は味が濃くて健康によくないのでは」。そんな先入観を覆すため、店では砂糖の代わりに果物で甘みを出すなど素材を生かして味付けし、県産を中心とした野菜をふんだんに取り入れている。

店舗は小学校や児童館が立ち並ぶエリアにあり、送迎の合間に気軽に立ち寄れる場所を選んだ。「夕方になると子どもたちが遊ぶ元気な声が聞こえてくる。そんな環境の中でお店ができて幸せ」と笑顔を見せる。

「お店があって良かったと思ってもらえたら」-。買ってすぐに食べられる手軽さと、おいしさの両方を兼ね備えた惣菜作り。河井さんが心を込めた一品は、地域に暮らす人たちの日々の食卓を彩っている。

■お出かけ情報
小匙惣菜店
▽つくば市竹園3の21の2
▽営業時間は午前11時半~午後7時
▽定休日は火・水曜(7月からは月曜)
▽最新情報はインスタグラムに掲載。アカウントは「cosaji_official」