広重美術館、ちょっ蔵ホール…隈研吾氏手がけた栃木県内建物、「新国立」で脚光

下野新聞
2015年12月23日

 新国立競技場の新たな建設計画で隈研吾(くまけんご)氏らが提案が採用された22日、隈さんが手掛けた県内建築物の関係者からは「地元の建物と同じなんて感激」「誇らしい」と祝福の声が上がった。「関連施設を巡るツアーを開きたい」。地域の活性化を期待する声もあった。

 「若い頃の隈さんの代表作。町を挙げて祝いたい」。馬頭広重美術館がある那珂川町の福島泰夫(ふくしまやすお)町長は声を弾ませた。

 旧馬頭町時代の1998年、40代前半の隈さんが設計、2000年に開館した。コンセプトは「広重の芸術と伝統を表現する伝統的で落ち着きのある外観」。

 町は近く、美術館建設までの資料を集めた特別展を開く。隈氏への講演依頼を検討し、撮影会や他自治体の関連施設も巡るバスツアーも企画したいという。

 宇都宮市の作新学院大には、隈氏の設計で00年に完成した第3教育棟や図書館、学生会館など5棟がある。分かれた建物ながら連続感があり、明るく開放的という。

 高根沢町のJR宝積寺駅の橋上駅、東西連絡通路、東口の「ちょっ蔵ホール」や広場などは07年、隈氏の設計・監修で造られた。大谷石や板材で構成する連続したひし形が印象的な建物群だ。

 那須町では00年に開館した那須歴史探訪館、01年に開館した「石の美術館ストーンプラザ」が隈氏の設計。

 石の美術館を運営する「白井石材」の白井伸雄(しらいのぶお)社長(59)は、隈氏について「どんな人の視点にも立てる、とても懐の深い方」。今回も祝福のメールを送ると、すぐにお礼の返信があったという。

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