麺は手打ち、皮も手作り 【食べた? 県北味めぐり】(41)広東麺とギョーザ 彼の女(那珂川)

下野新聞
2020年4月3日

 白菜、キクラゲ、ピーマン、ニンジン、タマネギ、豚肉が中華鍋で手際よく炒められ、片栗粉が加わってとろっとしたあんができあがる。

 麺は全て自家製手打ち麺で、スープには豚骨や鶏がら、煮干し、昆布などを使用。しょうゆベースのタレが加わり、あんとゆで卵がのって広東麺の完成だ。

 シャキシャキとした食感で甘みのある野菜に加え、歯触りの良いシコシコとした麺にスープがよく絡み、箸が進む。

 ギョーザもこだわりが強く、麺と同様に皮から手作り。匂いが強すぎるからとニラは使わず、キャベツとニンニク、豚ひき肉で仕上げる。ラーメンやタンメン、ワンタン麺、天津麺など種類が豊富で、お気に入りの麺とギョーザをセットで頼むのがお勧めだ。

 昭和初期から続く老舗で、珍しい店名「彼(か)の女(じょ)」は先代が名付けた。しかし戦時中は、風紀上の理由で店名を「かのえ」に変更したそうだ。

 現在は2代目の石川常光(いしかわつねみつ)さん(78)と妻の登志子(としこ)さん(82)が2人で切り盛りする。昭和感が漂う店内で黙々と調理する常光さんは、「麺もギョーザの皮も、自分の手で練らないと気が済まないんです」とこだわりを見せた。

 【メモ】広東麺700円、ギョーザは300円▽那珂川町馬頭301▽営業時間 午前10時~午後3時▽定休日 不定休▽(問)0287・92・2610

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