貴重な仏像や古文書公開 17、18日に「集中曝涼」 常陸太田 常陸大宮

茨城新聞
2015年10月16日

地域の貴重な文化財を虫干しを兼ねて一般公開する「集中曝涼(ばくりょう)」が17、18日の両日、常陸太田、常陸大宮の両市で開かれる。普段は目にできない仏像や古文書を見学し、地域の歴史や文化を身近に感じてもらうのが狙い。9回目となる今回は国や県、市の文化財などが両市内の計20カ所で公開される。
 青蓮寺では約200年前の親孝行娘の史実「二孝女物語」ゆかりの巻物や短冊などを公開。また、あまりの大きさに展示を控えてきた愛宕神社(常陸太田市玉造町)の「五大尊絵像」「両界曼荼羅」を、梅津会館で20年ぶりにご開帳する。
 地域住民のおもてなし、学生ボランティアのガイド、スタンプラリーなども行われる。問い合わせは市文化課TEL0294(72)3201。
 一般公開される場所は次の通り。
 ◇常陸太田市▽東金砂神社(天下野町)▽東染林業センター(東染町)▽賀美発電所(上深荻町、17日のみ)▽中染阿弥陀堂(中染町)▽智教院(西河内下町)▽旧町屋変電所(同)▽正宗寺(増井町)▽県立太田一高(栄町)▽久昌寺(新宿町)▽青蓮寺(東連地町)▽来迎院(大里町)▽下利員西光寺(下利員町)▽佐竹寺(天神林町)▽菊蓮寺(上宮河内町)▽梅津会館(西二町)
 ◇常陸大宮市▽甲神社(下町)▽国長阿弥陀院(国長)▽善徳寺(鷲子)▽市歴史民俗資料館(中富町)▽市文書館(北塩子)
■太田一高資料館も公開
  集中曝涼に合わせ、国の重要文化財に指定されている県立太田一高資料館(旧制太田中学講堂)の一般公開が始まった。同校所有の書、絵画なども同時に展示されている。
 資料館は明治の風格ある洋風建築で、同校のシンボル的建造物。1904年に建造され、76年に重文の指定を受け、90年に資料館として整備された。
 館内では横山大観「笹に蛙」や小川芋銭「貯水池の辺りを行く牛市の群」、木村武山「高砂」など貴重な美術作品を披露。旧制太田中の卒業生で日本画家の加倉井和夫「歓」なども並ぶ。
 「資料館が見守った青春」と題して同校110年の歩みを振り返るコーナーを設置。開校当時の教科書やアルバム、写真などが年表とともに飾られ、同校の歴史や学生生活がうかがえる。講堂の〝初代〟棟飾りも初公開されており、同校は「110年の歴史を感じさせる貴重な資料がそろう。ぜひご覧ください」と話している。
 一般公開は18日まで。開館時間は午前10時~午後3時。

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