68万人、11%増 茨城空港の17年度旅客数
茨城空港(小美玉市)の2017年度の利用者(旅客)数は、前年度比11%増の68万670人となり、過去最高を更新したことが22日までに分かった。国土交通省が2005年に公表した開港4年後の年間需要予測69万5千人まで、3年遅れであとわずかに迫った。国際線の旅客数は前年度より29%(約4万人)落ち込んだものの、国内線は24%(約11万人)増と大幅な上積みとなり、全体を押し上げた。
同空港は10年3月の開港前後、「お荷物」「税金の無駄」などと一部でやゆされることもあった。航空需要の増加と訪日外国人の急増を受けて旅客数を順調に増やし、開港から8年目で国の需要予測にほぼ到達する形となった。
同省の需要予測は、1999年度に運輸省(当時)が「開港時80万7千人」としていたが、2005年度に「14年に69万5千人」と下方修正していた。
旅客数は、国交省東京航空局が同空港発着便を集計した。17年度の国内線は57万3824人で前年度より11万953人増えて過去最高を更新した。一方で国際線は10万6846人で、2年連続減少した。
国内線はスカイマークの札幌、神戸、福岡、那覇の4路線が1日計6往復。那覇直行便が継続されたことなどで搭乗率を上げた。
国際線は航空会社の機材繰りなどが影響し、16年度半ばまでに中国、台湾の計5路線が停止し、17年度は中国の格安航空会社(LCC)春秋航空の上海線1路線のみとなった。
週8便だった上海線も16年度途中から週6便に減り、17年度の旅客大幅減につながった。
18年度は、国際線の韓国LCCイースター航空が7月末から週3便就航し、7年ぶりに韓国線が復活するほか、タイガーエア台湾の台湾連続チャーター便も3~10月の予定で週2便運航している。国内線は、フジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)がツアー客向けのチャーター便を北海道内など各地の地方空港に飛ばしている。
国内外の便数増加を受け、県空港対策課は「18年度の旅客数は需要予測の69万5千人を確実に超える」と強気な構えを見せている。同課は就航対策を推進し、台湾チャーター便などの定期便化を目指す。
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