待ってました、オオワシ飛来 茨城町・涸沼

茨城新聞
2018年1月24日

国天然記念物で絶滅危惧種のオオワシが茨城町の涸沼に今冬も飛来した。毎年3月中旬ごろまで越冬する。翼を広げると最大2・4メートルもある「鳥の王者」。りりしい姿を撮影しようとアマチュアカメラマンが県内外から集まり、湖岸などで望遠レンズを構えている。

1998年から同一個体が飛来している。今年は1月7日に姿を見せた。21年目の越冬となった。昨年の飛来は1月24日、2年前は2月1日だった。例年より早まったのはロシアの寒波の影響とみられる。

ロシア極東に分布し、冬は北海道、本州北部などで生息する。近県では中禅寺湖(栃木県)、諏訪湖(長野県)に来るという。

同町の網掛(あがけ)公園周辺や対岸の親沢公園周辺に生息している。大きな体のため、風を利用して舞い上がる。無風の日は目撃する機会が減るという。

オオワシの越冬は涸沼がラムサール条約湿地に登録された理由の一つ。毎年撮影している同町の清水道雄さん(69)は「くちばしの形状で同じ個体と確認できる。これからの寿命が心配だが、今年も飛来してうれしい」と胸をなで下ろしていた。 

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