日光、外国人評価アップ 「歴史」「交通」など充実奏功

下野新聞
2017年11月12日

 【日光】観光客の満足度向上を目指し、中央大経済学部の平松裕子(ひらまつゆうこ)講師(61)が今秋、外国人に日光の観光地としての満足度を評価をしてもらったところ、「歴史・文化」「交通の便利さ」などデータの信頼性が特に高いとされる5項目で2014年の調査より高い評価を得た。評価は5段階で3年前は「4」以上が一つだけだったが、今回は5項目とも「4」を超えた。インバウンド(外国人誘客)に向けた取り組みが評価された格好だ。

 中央大は宇都宮大と共に、小型無線発信機やスマートフォンを活用した観光支援研究を日光で展開する。本年度からは両大学に東京、早稲田、神戸学院大も加わり、5カ年の科学研究費助成事業(科研費)として観光客の心理に踏み込んだ研究を共同で進めている。

 今回の調査は観光客の動向把握が目的。9月2、3の両日に日光地区6カ所で行い、10カ国以上の外国人24人に観光全般の評価をしてもらった。その上で3年前の調査データ(回答者72人)と比較した。

 結果によると、3年前と比較できる12項目のうち、「歴史・文化」「町並み」「体験型の観光」「地域との触れ合い」「交通の便利さ」は5段階評価で4・16~4・75となった。上昇幅は0・27~0・91。この5項目は統計的な検証により信頼性が高いとしている。

 高評価の理由は、日光東照宮の国宝「陽明門」の大修理完成や鉄道会社の新型列車投入、観光受け入れ態勢の充実が挙げられるという。そのほかの項目でも評価が上昇し、下がったのは「宿泊施設の質・価格」「物価」の2項目だった。

 平松講師は「回答数は少ないが、5項目は統計的に有意な数値」。研究代表者で宇大大学院工学研究科の伊藤篤(いとうあつし)教授(58)は「日光への理解度が高まっている。結果を観光リピーターにつなげたい」と話した。

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