西洋と日本の融合 波山の出発点探る 記念館で企画展 茨城・筑西

茨城新聞
2026年9月2日

茨城県筑西市出身の陶芸家で文化勲章受章者、板谷波山(1872~1963年)の初期の作品を紹介する企画展「陶芸家誕生-東京・田端での作陶を追って」が、同市甲の板谷波山記念館で開かれている。東京・田端に工房と窯を構え、陶芸家として本格デビューした時代に焦点を当てた展示。自然や植物をモチーフにしたアールヌーボー(新しい芸術)などの西洋の意匠や技術と、日本の自然観や繊細な美意識の融合を見られる。同展は11月23日まで。

同展は「波山陶芸の魅力を探る」10回シリーズの第7弾で「波山陶芸の黎明(れいめい)期」がテーマ。導入部は田端に窯を開いた当初の苦しい暮らしの中で、販売用に作った「飛鳥山焼」と名付けた日用の器を展示している。また、東京に移る前、石川県金沢市の県工業学校で彫刻科教員を務めていた時代の、胸像や動物像、バショウの葉とカエルを生き生きと表現した花瓶も紹介している。

本格的に作陶を始め、近代窯業技術を追求した時代の展示では、結晶のような模様を生み出す釉薬(ゆうやく)「結晶釉」など西洋の技術を用いた花瓶などが並ぶ。

同館の滝原梨生学芸員(27)は「波山の出発点を見てもらえる展示。少しでも波山の作品が気になった人に、初期にどういった作品を作っていたか見てもらいたい」と話す。

関連イベントとして、波山の命日に合わせ、その翌日の10月11日、波山研究者の荒川正明さんを招いた「波山を偲(しの)ぶ茶話会」を開く。午前11時、午後1時、同3時の3回開催。参加費800円。事前申し込み必要。問い合わせは同館(電)0296(25)3830。