弘道館の歴史学ぶ 建設の目的や役割 子ども観光大使認定

茨城新聞
2017年9月24日

本県の魅力を県内外に発信する「子ども観光大使」を育てようと、水戸藩校「弘道館」の歴史をテーマにした体験教室が23日、水戸市三の丸の弘道館で開かれた。小学1年生から5年生までの子どもたちが、弘道館正庁内や周囲の建物、石碑などを探索し、建てられた目的や教育方針などを楽しみながら学んだ。

小中高校の教員や、教員を目指す大学生でつくるNPO法人「子どもみらい飛行」(桑原和彦代表)が主催。

この日は、水戸、ひたちなか、結城、大洗の4市町から親子10組が参加。弘道館正庁内では、来館者控えの間「諸役会所」に掲げられている「尊攘」の掛け軸や、試験や儀式が行われた「正席の間」などを見学。正庁の外では、学問の祖である孔子を祭った「孔子廟(こうしびょう)」、学生に時を知らせた鐘「学生警鐘」などを次々に巡った。

引き続き、正庁内で弘道館学芸員の小圷のり子さんが、弘道館の歴史や各施設の役割、掛け軸に書かれた「尊攘」の意味などを分かりやすく解説。子どもたちは小圷さんの話に熱心に耳を傾け、弘道館が建てられた目的から9代藩主徳川斉昭の日常に至るまでを楽しみながら学んだ。最後に認定試験が行われ、全員が合格して茨城子ども観光大使の認定書が渡された。

笠間市立笠間小3年、佐藤忠大君(9)は「弘道館に来たのは初めて。昔の道具などが見学できて勉強になった」と笑顔で話した。

桑原代表は「子どもたちが弘道館内の文化財を知ることができ、意味のある体験教室となった。これからも郷土の歴史を体感できる催しを企画していきたい」と語った。 

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