《食いこ》 御食事処 曲屋(石岡市) ダチョウ肉「韋駄天そば」

茨城新聞
2017年9月10日

石岡市の「常陸風土記の丘」は自然豊かな歴史公園。駐車場奥の立派な長屋門をくぐると、すぐにかやぶき屋根の古民家が現れる。古民家を店舗にした「御食事処 曲(まがり)屋(や)」では、時代を感じさせる落ち着いた雰囲気の中、珍しいダチョウ肉が味わえる。

曲屋は土間の前面に馬屋が突き出したLの字型をした民家のこと。江戸時代後期に建てられたとされる「旧坂家住宅」を小美玉市(旧玉里村)から移築した。

中に入ると土間があり、いろりが設けられていた。「かやぶき屋根は熱と煙に当てた方がいいらしく、毎朝いろりにまきをくべて火をおこす。まき割りも職員がする」と常陸風土記の丘を運営する石岡市産業文化事業団の酒井芳次さん(46)。

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券売機で食券を買うセルフサービス式。メニューはそばやうどんが中心で、ダチョウの肉を使った「韋駄天(いだてん)そば」と「韋駄天ざるそば」が人気を集める。同市にダチョウ牧場「ダチョウ王国」があることから、市の特産品としてダチョウ肉を使う。ダチョウの足が速いことから韋駄天と名付けられたという。

韋駄天ざるそばは、しょうゆベースのたれに漬け込んだダチョウ肉に片栗粉をまぶして揚げた「竜田揚げ風」と野菜の天ぷらがつく。あっさりと食べやすく仕上がっていた。温かい韋駄天そばは、たれに漬け込んでゆでたダチョウ肉が入る。

ダチョウ王国によれば、ダチョウ肉は赤身で低脂肪、高タンパク、鉄分が豊富に含まれているのが特徴。

そばは品質のよい同市産の常陸秋そばを使い同市の製麺所に特注する。週末は20食限定で手打ちそばを出す。

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常陸風土記の丘は古代家屋復元広場や鹿の子史跡公園などさまざまな歴史に触れることができる。サクラや大賀ハスなど花の名所としても知られる。入園は無料だが、有料エリアがある。

曲屋から「獅子頭展望台」まで足を伸ばした。16~18日開催の常陸国総社宮例大祭「石岡のおまつり」に巡行する獅子舞の頭部をかたどった高さ10メートルの巨大な獅子頭が常陸風土記の丘を見守っていた。

■お出かけ情報

御食事処 曲屋
▼住所は石岡市染谷1646
▼定休は月曜(祝日の場合は翌日)
▼営業時間・曲屋は午前11時~午後3時
▼常陸風土記の丘(電)0299(23)3888

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