盆船流し、精霊海へ 北茨城・大津漁港

茨城新聞
2017年8月17日

北茨城市の大津漁港で16日早朝、新盆の霊を送る県指定無形民俗文化財「大津町盆船流し」が行われた。新盆を迎えた家で長さ2メートルほどの盆船を作り、香をたき、読経や「じゃんがら念仏踊り」により霊魂を慰め、海に送る伝統行事。多くの観光客も訪れ幽玄の世界を見物した。

かつてはわらで船を作り戒名入りの帆を立てて外洋に流したが、近年は木造が主流で船は回収している。船はちょうちんや花などを飾り付け華やかに装う。まこもに包んだ供物も船に載せる。

念仏踊りが終わると漁船が18隻の盆船をえい航して港内を周回。ふ頭で見守る人たちは盆船に手を合わせていた。大津町盆船流し保存会の村田洋文会長は「行事の形態は変わったが、先祖を敬う気持ちは変わらない。後世に伝えていきたい」と話した。

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