常陸大宮の辻さん 大子漆作品紹介 水戸で個展 21日まで 茨城
茨城新聞
2025年10月17日

茨城県常陸大宮市に住む木漆工芸作家の辻徹さん(61)の個展が、同県水戸市泉町の京成百貨店アートギャラリーで開かれている。大子漆を使ったわんや皿の漆器、花入れ、漆額など約120点を展示、販売している。同展は21日まで。
辻さんは1963年、北海道札幌市生まれ。90年、東京芸大大学院漆芸専攻修了。茨城工芸会長。日本工芸会正会員。常陸大宮市に工房を持ち、茨城県大子町で自身の漆器を取り扱う「大子漆八溝塗 器而庵」を構える。
個展では洗練されたデザインの漆器が並ぶ。銀色と朱色が鮮やかな「アミューズカップ錫彩」は、ふたと受け皿が付く。漆の木を再利用した「漆の木花入」は、木の中心に試験管を埋め込んだ。壁面飾りの「額縁錫彩」は、漆を拭き取った不織布が額の中央に飾られ、アート作品のようだ。
辻さんは「大子漆の漆器は使うことで艶が出て、色も鮮やかになる。そこを楽しんでほしい」と話す。17~20日の各午後2時からは辻さんと来場者との「クロストーク」を予定する。