東海村を時空旅行 1100万年前から現代まで 歴史と未来の交流館 特別展 茨城

茨城県東海村発足70周年記念の特別企画展「時間旅行(タイムトラベル)へようこそ-東海村から届いた招待状-」が同村村松の村歴史と未来の交流館で開かれている。「時空列車」に乗って、村の時代を太古からほぼ現代まで時空を超えて旅をしながら、途中下車して巡る趣向で、村の「お宝」の形象埴輪(はにわ)をケース越しでなく生で見られる機会にもなっている。
展示は①1100万年前の東海村②古墳時代③古地図の世界④あの日の学校へ-の四つのコーナーからなる。①では、村で最古の地層「新川層」から出土した魚のうろこなどの微化石を顕微鏡でのぞくことができる。②では村北部の古墳時代後期の戸ノ内古墳から出土した形象埴輪を展示。③では400年前からの古地図を並べ、久慈川が蛇行していた時代や干拓された真崎浦があった時代に思いをはせることができる。④では給食食器や机を並べ、世代ごとの学校生活を懐古できる。
特に興味深いのは、一般的な博物館などと違って、埴輪が展示ケースを隔てず、じかに見られるところ。いずれも古墳時代後期(約1500年前)の戸ノ内古墳でほぼ同じ場所から、見つかった12体の人形(ひとがた)や家形(いえがた)の埴輪が紹介され、大半が初公開という。
館によると、同古墳はもともと、存在自体が認知されておらず、2008年度に下水道工事の際に、「三角巾形冠をかぶる男子」(現在は市指定文化財)の埴輪が見つかり、古墳があることが分かった。その後、21~22年度に範囲を確認する発掘調査を行ったところ、墳丘と推定される地点の北側の溝(約24平方メートル)の中に、今回紹介された形象埴輪がまとまってあったという。同館の中泉雄太学芸員は「古墳時代後期の形象埴輪の種類とか、並べ方を考察する上での重要な史料になった」と、発掘の意義を説明する。
同展は来年2月23日まで。入場無料。開館時間は午前9時~午後7時(土日祝日は同5時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。問い合わせは同館(電)029(287)0851。
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