茨城FC活動、ロケ支援5000作突破 昨年度、経済波及6億2000万円

茨城新聞
2017年7月13日

映画やテレビドラマなどの撮影を茨城県と県内市町が支援する「フィルムコミッション(FC)」活動で、県は12日、2002年度から16年度末までの支援作品数が累計5千本を突破し、同年度末現在で5374本になったと発表した。同年度の支援作品数は526本で前年度比57本減となったものの、撮影の延べ日数は15年度よりも17日増えて1147日となったことから、経済波及効果(推計)は過去最高の約6億2千万円となった。現在NHKで放映中の連続テレビ小説「ひよっこ」の撮影隊の長期滞在などが大きく影響した。

「ひよっこ」の撮影は昨年9月から、高萩や常陸太田、大子などで行われ、撮影隊が延べ30日以上、県内に宿泊した。経済波及効果(推計)は15年度の約4億8千万円から、昨年度は1億4千万円増となった。いばらきFCは「日帰りや3~4日の宿泊で撮影を済ませることが多い中、キャストやスタッフが長期間宿泊したことで、大きな経済波及効果をもたらした」と説明する。

このうち高萩市内の撮影は延べ59日間行われ、延べ約2570人のスタッフが活動した。日立市内のホテルには連日数人が延べ25日間宿泊したといい、同ホテルの担当者は「全体の売り上げに大きな変化はないが、リピーターとして利用してもらえればありがたい」と期待する。

一方、昨年度の撮影作品数は、映画が54本、テレビドラマは87本、CMなどが385本の計526本。撮影日数が延べ10日以上だったのは「ひよっこ」のほか、主にひたちなか市で撮影された映画「月と雷」、つくば、土浦などで撮影されたドラマ「バウンサー」などで、エキストラ出演した県民ボランティアは延べ約5600人に上った。

本県は都心から近く、FCの取り組みが定着していることなどから、「ロケの聖地」として映画製作会社からの評価が高い。いばらきフィルムコミッションには毎日10件ほどの撮影に関する相談があるといい、選ばれる理由の一つについて「県内は日本の縮図で、撮影場所によって北海道から沖縄のどこの町にでもなれる」と話した。 

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