《いばらき御朱印めぐり》行方市 西蓮寺

■春の限定、桜モチーフ 地域活性化へイベント
茨城県行方市の西蓮寺は、常陸の高野山とも呼ばれる古刹(こさつ)。御朱印は3種類の通常版に加え、限定版も用意する。境内には国指定重要文化財である仁王門や相輪橖(そうりんとう)がある。桜や紅葉の季節などには境内でマルシェを開き、寺だけでなく地域の活性化を目指す。
創建は782年。桓武天皇の勅命を受けて、最澄の弟子、最仙上人が建てた。本尊は薬師如来。御利益は健康で、健全な身体と心を授けるとされる。
通常御朱印は、延命地蔵尊、寿老人、薬師如来の3種類を用意。薬師如来の御朱印は1年前に中央の印を薬壺(つぼ)に刷新した。薬師如来が持つ瑠璃色の壺で、中には御利益が入っているとされる。嘉堂英源(かどうえいげん)住職(39)は「薬師如来を身近に感じてもらえるようデザインを変更した」と話す。
8日まで開催している花まつりでは、限定御朱印も頒布。釈迦(しゃか)の誕生を祝う祭りのため、御朱印に釈迦如来と書き、桜が描かれた透かしを上に重ねる。

(左上から時計回りに)延命地蔵尊、寿老人、薬師如来、花まつり限定の御朱印
境内の見どころの一つ仁王門は室町時代後期の1543年に建てられ、間斗束(けんとづか)や蟇股(かえるまた)という彫りの技術が各所に使われている。相輪橖は元寇の戦勝を記念して建てられ、比叡山と日光山に並ぶ日本三大相輪橖の一つに数えられるという。
嘉堂住職が同寺の住職に就任したのは8年前。当時、周辺地域に元気がないと感じ、何か地域の活性化につながるものはないかと考えた。そこで思い付いたのが、樹齢千年を超える大イチョウの紅葉を紹介することだった。住職は3年前から交流サイト(SNS)に投稿するとともに、キッチンカーを手配し、境内でマルシェを開いている。
そうした取り組みが功を奏し、徐々に人が増えていった。昨年の紅葉シーズンには、2週間で1万5千人もの来訪があったという。今では、花まつり、市の無形民俗文化財である常行(じょうぎょう)三昧会(ざんまいえ)なども積極的に発信し、地域がにぎわうイベントを企画している。
このうち、常行三昧会は9月24~30日、約20人の僧侶が7日7夜にわたって常行堂内を回りながら読経する日本唯一の法要となる。
「イベントを通じて寺に多くの人が訪れるようにしたい。仏教をもっと身近に感じてもらえれば」。嘉堂住職は、昭和初期に大祭と呼ばれた常行三昧会のにぎわいを取り戻して、地域活性化の起爆剤にしたい考えだ。
■メモ
アクセス:鉾田ICから約18キロ、車で30分
住所:行方市西蓮寺504
(電)0299(56)0107
受付時間:午前9時~午後4時
御朱印:通常版は500円、限定版は1000円