江戸の仕事・学び考察 土浦ゆかり13人紹介展 市立博物館 茨城

殿様や鉄砲の指南役、藩お抱えの絵師、医者など土浦ゆかりの江戸時代の人物13人を紹介する特別展「まなびのかたち-江戸時代のキャリアデザイン」が茨城県土浦市中央の市立博物館で開かれている。彼らが生きた時代を「学び」「教え」の観点から考察する。武家社会の格式が分かる重要文化財「一橋徳川家席順」(県立歴史館蔵)をはじめ201点の資料で紹介する。同展は5月6日まで。
1988年の開館以来、同博物館が収集した資料を基に、県南地域の教育や人材育成の中心地となる土浦の歴史的背景にも注目し、彼らの生き方に迫る。これだけの人物を一挙に紹介するのは初めてという。
江戸時代は身分制社会だったが、農民の身分でありながら武士として土浦藩に登用された人々もいた。藩領の小田村(現同県つくば市小田)の名主、長島尉信(やすのぶ)(1781~1867年)は45歳で隠居した後、江戸に出て天文や暦学、和算、測量を学んだ。帰郷して租税法の書物を著したことがきっかけで水戸藩に藩士として取り立てられた。その後、土浦藩では農政学者として多くの書物を残し、土浦城の測量や城下町の検地に尽力した。
特別展では長島のほか、土浦藩を治めた土屋家2代目当主の土屋政直(まさなお)と10代目の土屋寅直(ともなお)、沼尻墨僊(ぼくせん)(教育者)、尾形とみ(商家の女主人)、色川三中(みなか)(国学者)、内田義制(関東取締出役の案内)、辻元順(医師)、関知信(砲術指南役)、山村才助(地理学者)、岡部洞水(とうすい)(絵師)、藤森弘庵(藩校郁文館の教授)、関雪江(書家)を紹介する。個人の寄託品など普段は見られない掛け軸や書物などを展示している。
担当した井上翼学芸員は「江戸時代に活躍した人物がどのように仕事と向き合っていたか、多くの人に知ってもらいたい」と来場を呼びかけている。
会期中の4月12日に県南生涯学習センターで記念講演会が開かれる。県立歴史館の歴史資料課特任研究員の永井博さんと茨城大教育学部教授の千葉真由美さんを招く。定員80人。電話か同館ホームページから申し込む。同博物館(電)029(824)2928。