《食いこ》伊勢屋(茨城・阿見町)

■半世紀 昔ながらの味守る
1976年2月創業の茨城県阿見町阿見の「伊勢屋」は、だんごや大福、いなり、巻きずしなどを製造、販売している。店頭に並ぶ商品は、従業員らが店舗奥で丁寧に下ごしらえをしたもので、一品一品手作り。毎日多くの客が伊勢屋の味を求めて訪れる。来年50周年を迎える中、2代目の平岡誠さん(48)は「本当に感謝。懐かしい昔ながらの味を守り続け、皆さんに喜んでもらえるよう期待に応えたい」と笑顔で語る。

香ばしく焼き上げただんごに、秘伝のみたらしを絡めた、人気の「焼だんご」
看板商品のだんごは、みたらしの甘じょっぱいたれが後を引く「焼だんご」と、塩気の効いたあんこが特徴の「甘だんご」の2種類。だんご作りの仕込みは毎朝6時からスタート。新粉を練り、手でちぎってせいろに並べ、蒸した後は石臼でつき、モチモチ感を引き出す。竹串1本にだんごは4玉。みたらしも、あんもたっぷり絡めて提供。1日で計約1000本も売れるという。
いなりや茶めしも人気。油揚げを砂糖や水あめで味付けしたいなりは、酢飯との相性が抜群。茶めしはもち米を蒸した後、しょうゆをまぶし、おにぎりにする。大福やおはぎ、茶まんじゅう、すしではのり巻きや玉子巻きなどもあり、常時12種類が並ぶ。
さらにひな祭りの時期は桜餅、こどもの日は柏餅を買い求める客も多い。平岡さんは「お彼岸の時期は1日で300人ぐらい来ていただく。常にカレンダーを逆算して商品を準備している」と話す。
伊勢屋は平岡さんの両親(故人)が創業。平岡さんは20代半ばで店の仕事を始め、商品の製法や味を引き継いだ。両親が残した昔ながらの味を、平岡さんや妻の真穂さん(40)、平岡さんの姉の天田智子さん(53)らが懸命に守る。年間を通して同じ味を保つのはひと苦労だが、「水加減や蒸す時間を変えて対応している」と平岡さん。積み重ねた経験を、現場で生かしている。
地域に根を張り半世紀。真穂さんは「店は町内や近隣の方に愛されている。これからも喜ばれる商品を提供したい」とにこやかに話す。平岡さんは「(50周年に向け)喜ばれる企画を考えたい。健康に気を付け、休まず長く続けられるように頑張りたい」と意気込みを語った。
■お出かけ情報
伊勢屋
▽茨城県阿見町阿見3953の9
▽営業時間は午前9時~午後6時
▽定休日は日曜(祝日営業)
▽(電)029(887)5575
▽ホームページアドレスはhttps://iseyaami.wixsite.com/iseya
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