「異彩放つ出来栄え」 群馬の埴輪、45年ぶり里帰り 高崎市の県立歴史博物館で間近に
上毛新聞
2024年11月20日
東京国立博物館(東京都台東区)に所蔵されている群馬県出土の埴輪(はにわ)3点が、県立歴史博物館(高崎市)に“里帰り”し、展示されている。その一つ、人物埴輪の「盛装の男子」(6世紀・古墳時代、太田市四ツ塚古墳出土)は、県内で見られるのは45年ぶりという。特別館長の右島和夫さんは「いずれも出来栄えがよく、繊細で群馬らしい埴輪。6世紀の群馬の埴輪づくりが全国でも異彩を放っていたことが分かる」としている。
盛装の男子は飾りの付いた帽子をかぶり、美豆良(みずら)と呼ばれる髪形。首飾りや小手、腰に刀を着けている。風格のある美しい姿は 、身分の高い人物が儀式に臨む姿を表現したとみられている。この他に、家型埴輪の「切妻造家(きりづまづくりいえ)」(藤岡市白石稲荷山古墳出土)、馬をかたどった「馬形埴輪」(高崎市上芝古墳出土)も合わせて展示している。
里帰り展示は、東京国立博物館で開かれている特別展「はにわ」(10月16日~12月8日)の開催がきっかけ。この展示のため、県立歴史博物館から埴輪や出土品7点を貸し出しており、代わりに盛装の男子など3点を借り受けた。
この3点は来年5月25日まで、県立歴史博物館の国宝展示室で見ることができる。