真壁の街並み後世に 桜川で重伝建全国大会
桜川市真壁地区をはじめ、歴史ある街並みを後世に伝えようと、全国伝統的建造物群保存地区協議会が24日、同市で始まった。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)である同市真壁町をメイン会場に、26日までの3日間行う。この日は事例発表や記念講演を開き、重伝建地区の継承と活用について探った。
協議会は、重伝建のある全国の市町村で構成する。大会は持ち回りで毎年開かれ、桜川市での開催は初めて。あいさつに立った大塚秀喜市長は「東日本大震災で重伝建の建物は甚大な被害を受けた。支援に感謝している。復旧した姿を見せたい」と話し、参加者を歓迎した。
記念講演は、重伝建の選定前から真壁地区の建造物調査を行ってきた小山高専(栃木県小山市)名誉教授の河東義之氏が登壇。選定されるまでの歩みや、大震災で9割の建物が被災した状況、復旧の過程などを振り返った。被災規模が大きかった原因では「建物に半世紀以上手を入れていなかった。定期的に修理しながら保存することが重要」と分析した。
今後の課題については、「修復が一段落し、真壁地区をどうしていくかを考える必要がある。住民の一体化とネットワーク、人材育成も必要。真壁のひなまつりだけでなく、観光客をもてなす住民主体のイベントを考えていかねばならない」などと指摘した。
大会期間中は、重伝建周辺の視察や意見交換会などが行われる。
同市真壁地区は、江戸時代から明治・大正時代にかけて隆盛し、今も300を超える見世蔵や土蔵、門が残り、国登録文化財は99件に上る。同地区中心部は2010年、県内で初めて重伝建に選定された。全国では92市町村114地区が選ばれている。
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