《いばらき御朱印めぐり》 水戸市 別雷皇太神
■カエル、稲妻 特別含む5種 雷神の使いが出迎え
茨城県水戸市の歓楽街である大工町のすぐ近くに位置する別雷皇太神は、関東三雷神の一つで、「水戸の雷神さま」として親しまれている。鳥居をくぐると、雷神の使いであるカエルの石像が出迎える。御朱印には、雷神やカエル、稲妻など手製のスタンプが押印される。禰宜(ねぎ)の小室紫織さん(23)は「古き良き伝統を後世に残していきたい」と話す。
御祭神は別雷命(わけいかづちのみこと)。創建は724年となる。蝦夷(えみし)の反乱を受けて、東北地方鎮護の神として京都市にある上賀茂神社の分祀(ぶんし)を同地に祭ったことが始まり。その後、佐竹氏や徳川氏の産土(うぶすな)神として信仰され、特に雷難消除、武運長久の神としてあがめられてきた。また、雷は雨と関係するため、雨乞い・水稲耕作の神としても信仰されている。
神社の入り口にはカエルの石像「六福六蛙(ろくふくむかえる)」が位置する。カエルは雨と関係し、雷神の使いとなる。石像は親カエルの上に5匹のカエルが載る。御利益は「無事かえる」「金かえる」「若がえる」などがある。
境内には電気神社、淡島神社、聖徳養蠶(こがい)神社が位置する。このうち、電気神社には電力の安定供給・安全祈願のため、原子力や電気事業の関係者が訪れるという。
御朱印は、本殿と境内社3社に加え、特別御朱印の計5種類を用意。特別御朱印には雷神の声が幸せをもたらすことを示す「一鳴雷福(ひとなりらいふく)」の文字のほか、雷神やカエル、稲妻など同神社に関係するスタンプを押印。スタンプについては、全て宮司である小室悠貴さん(44)がデザインし、自ら作成した。また、カエルがデザインされた御朱印帳も同神社のオリジナルとなる。
御朱印は参拝の証しとして受け取るもののため、同神社では見本を用意していない。禰宜の紫織さんは「デザインで選ぶのではなく、本来の意味を理解してもらえれば」と話す。
紫織さんは今年3月に神道関係の大学を卒業し、4月から正式に神職に就いた。「小さい頃から、父の背中を見てきた。女性の神主は数が少ないが、女性の活躍する場として頑張っていきたい」と意気込みを語った。(鶴岡宜規)
■メモ
アクセス:水戸駅から約2キロ、徒歩で約30分、バスなら「雷神前」バス停下車すぐ。
住所:水戸市元山町1の1の57
電話:029(221)2323
受付時間:午前9時~午後4時
御朱印:本殿、淡島神社、電気神社、聖徳養蠶神社は500円。本殿の特別御朱印は1000円。オリジナルの御朱印帳は2500円。