鉄道の名風景並ぶ 中井精也さん写真展 しもだて美術館 茨城
鉄道写真家の中井精也さん(56)が捉えた名風景を紹介する写真展「ゆる鉄絶景100」が、茨城県筑西市丙のしもだて美術館で開かれている。ローカル線のゆるい空気感を主題とした「ゆる鉄」や、絶景を楽しめる103点がそろい、市内を走る関東鉄道常総線や真岡鉄道真岡線の作品も並ぶ。同展は12月1日まで。
市誕生20周年記念と中井さんの人気ブログ「1日1鉄!」の開始20周年を記念して開催。同館で中井さんの写真展が開かれるのは10年ぶり。今回は厳冬期の茅沼駅(北海道)のホームで舞うタンチョウや沖縄県を走るモノレール「ゆいレール」とシーサー(魔よけ)などを捉えた作品が並ぶ。中井さんはコメントで「47都道府県の中から、僕が大好きな鉄道の名風景を一堂に集めた」としている。
中井さんは東京都出身。12歳の時に父親からもらったカメラがきっかけで鉄道写真に目覚めた。中学から大学まで鉄道研究会に所属し、大学卒業後は写真専門学校に通い、鉄道写真家の真島満秀氏に師事。2004年から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影する同ブログを続けている。
中井さんの代名詞「ゆる鉄」について、同館学芸員の木植繁さん(57)は「鉄道に関するものが風景の一つとなり、見た人に旅情を感じてもらえる」と説明する。
関東鉄道の特設展示もあり、夕暮れ時の常総線と富士山を超望遠レンズで捉えた絶景に加え、同社の記念乗車券など貴重な資料もずらり。真岡線の列車が駆け抜ける桜並木と菜の花畑の幻想的な風景も見どころ。
中井さんを招いた関連イベントとして、12日に「特別貸切列車で行く関東鉄道常総線撮影ツアー」▽12、13、14の3日間にギャラリー・ショップ「ゆる鉄画廊NOMAD」▽13、14両日にギャラリートーク▽11月17日にスペシャルトークショー・サイン会-が開かれる。問い合わせは同館(電)0296(23)1601。