三波石峡 漁場復活を 神流川漁協アユを放流
上毛新聞
2017年5月17日
下久保ダム建設で失われた三波石峡(藤岡市譲原)のアユ漁場を復活させようと、神流川漁業協同組合(須藤幸一組合長)は15日、稚魚約1万匹を放流した。三波石峡周辺のアユ釣り解禁は7月1日。組合は「三波石峡が国天然記念物に指定されて60年の節目。にぎわいを生み出したい」としている。
三波石峡の叢石(そうせき)橋付近で、組合員7人が稚魚を入れたバケツを川面にゆっくりと傾けた。組合によると、エサとなるコケが生えやすく、身を隠しやすい岩石が多いため好漁場になる可能性が高いという。須藤組合長(70)は「釣り人が訪れると渓谷沿いの草地が踏まれ、道ができて歩きやすくなる。観光面でのプラスも期待できる」と話した。
ダムが1968年に完成すると、直下にある三波石峡への流れが止まり、干上がった。地元の要望を受け、2001年に毎秒0・3トンが放流されるようになり、近年は魚が生息できるまで環境が改善した。
河川をきれいにする効果がある「土砂掃流」を03年から行っている同ダム管理所は「アユの定着を組合とともにチェックしたい」としている。
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