群馬産生糸の首里織が“里帰り” 群馬・日本絹の里、沖縄から50点

上毛新聞
2024年9月9日

沖縄伝統の染織物、首里織を紹介する企画展「首里織展~ぐんまの生糸が紡ぐ物語」が5日、群馬県高崎市金古町の県立日本絹の里で始まった。群馬で養蚕・製糸された生糸が沖縄で美しい首里織となって、再び群馬に“里帰り”。最も格式が高く、王家や貴族が着た「首里花倉織」や「首里花織」など、紋織から絣まで豊かな色彩と繊細な約50点が会場を彩っている。10月28日まで。

首里織は、群馬県内の養蚕農家が生産した繭を国内最大の製糸工場、碓氷製糸(安中市)が加工した純国産の絹糸を使用している。この日は、那覇伝統織物事業協同組合理事長の吉浜博子さん(68)が訪れ、来場者約40人に技法や特徴を解説。吉浜さんは、本県の養蚕、製糸業関係者に感謝を示した上で「養蚕農家、製糸工場、織り手、そして着てくださる人が、(今後もいい形で)循環していけることを願っている」と話した。

首里織展は、養蚕、製糸業が伝統的に盛んな群馬県と、首里織の生産地である沖縄が長年交流してきた縁もあって、4年ぶり2回目の開催。今月28日午後1時半からは、人間国宝の祝嶺恭子さんを招いた講演会も開かれる。問い合わせは同館(電話027-360-6300)へ。

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