車いすでバス餌やり可能に 群馬サファリパーク

上毛新聞
2024年8月17日

障害の有無にかかわらず園内の見学を楽しんでもらおうと、群馬サファリパーク(群馬県富岡市岡本)は9日、車いすが乗降できるリフト付きのバスを初めて導入した。最大で車いす4台を搭載でき、人気の餌やり体験ツアーで運行する。バスの購入にはクラウドファンディング(CF)で募った支援金を充てた。

お披露目会では、高崎市内の障害者福祉施設の利用者らが車両に搭乗し、シマウマやライオンへの餌やりを体験した。車いすの男性を介助した佐々木岳志さん(46)は「当事者も介助者も安心して乗ることができた」と表情を緩ませた。

園を運営する群馬サファリ・ワールドによると、体験ツアーを予約する団体客の約2割は特別支援学校の児童生徒や障害者福祉施設の利用者ら見学にサポートが必要な人たち。従来のバスには車いす利用者が乗車できず、ツアーに参加しづらかったという。

要望を受け、リフト付きバスの購入などを目指したCFを昨年12月~今年2月末に実施。666人から寄せられた総額約1200万円を活用し、必要な整備をした上で納車した。

同社企画広報部の谷水直人企画課長(44)は「分け隔てなく、誰もが満足できるような園を目指したい」と話していた。